2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイパスアミノ酸・タンパク質飼料の製造法開発とその家畜生産性の関する研究
Project/Area Number |
05F05478
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 正和 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AIBIBULA Yimamu 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 脂肪酸カルシウム / 反芻胃内発酵 / 小腸 / 去勢牛 |
Research Abstract |
脂肪酸カルシウム給与が去勢牛の反芻胃内発酵および小腸への養分流入量に及ぼす影響 【目的】給与飼料への脂肪酸カルシウム(バイパスメイトL)添加が乳用種去勢牛の反芻胃内発酵ならびに各飼料養分の消化管部位別消化へ及ぼす影響を検討した。 【方法】第一胃、十二指腸および回腸末端に力ニューレを装着した去勢牛2頭(平均体重426kg)を供試し、チモシー乾草50%、圧ペントウモロコシ30%および大豆粕20%を組み合わせた給与飼料(対照区)および対照区の5%を脂肪酸カルシウムで置換した飼料(CSFA区)の反転給与試験を実施した。飼料給与量は去勢牛の代謝体重1kgあたり85g/日の乾物量とし、1日2回に分けて(8:00,18:00)給与した。飼料個々のルーメン内in situ消化はin situナイロンバック法で行い、反芻胃内培養時間を3,6,9,12,24,36及び72時間(チモシー乾草のみ)をとした。各浸漬時間(t)における消失率(P)の平均値をロディスティック曲線式P=a+b(1-e^<-ct>)にあてはめ、速やかに消失する区分(a)、時間とともに分解されて消失する区分(b)及びbの分解速度定数(c)をそれぞれ求めた。内容物の流出および排糞量は第二酸化クロムをマーカーとして測定した。 【結果】飼料摂取量は同程度であった。CSFA区では反芻胃内pHが高く安定し、第一胃液中のVFAおよびNH_3-N窒素濃度の低下し、また、経時的変動が小さかった。チモシー乾草のNDF消失率はCSFA区で高く推移し、大豆粕粗タンパク質とトウモロコシデンプンの消失率は対照区と試験区の間に違いが認められなかった。CSFAのin situ乾物消失率は36時間後に約6%であり、残渣の脂肪酸組成にも変化が認められなかった。反芻胃内OM消化率はCSFA区で低く、全消化官内OM消化率は差がみられず、OM消化は反芻胃から小腸にシフトされた。デンプンとNDFの消化管部位別消化率で有意差は認められなかった。窒素(N)化合物の反芻胃内分解率はCSFA区で低く、小腸からのN吸収率は高い傾向にあった。
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