2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい避妊法による野生霊長類の生息数調節法の開発に関する研究
Project/Area Number |
05F05480
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田谷 一善 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRISONBOON Hataitip 東京農工大学, 大学共生科学技術研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 野生動物 / 霊長類 / 避妊法 / 生息数 / 内分泌錯乱 / 下垂体 / 精巣 / 卵巣 |
Research Abstract |
野生霊長類の避妊に用いる目的で、タイの民間薬として広く使用されているPueraria mirifica(PM)の効果を飼育下のアカゲザルを用いて検討した。本研究では、正常な月経周期を回帰し規則的に排卵している個体を3群に分け、PMの3容量(10,100,100mg)を毎日経口投与した。実験は投与前期間(30日間),投与期間(90日間),投与中止期間(60日間)に分け,月経周期を観察し、血中卵胞刺激ホルモン(FSH),黄体形成ホルモン(LH),プロジェステロン(P),エストラジオール(E_2)およびインヒビン濃度を測定した。 投与前期間における月経周期を調べた結果,28.2±0.8日であった。PM10mgおよび100mg投与群では、月経周期の延長が観察され、PM100mg投与群では、投与期間中排卵が抑制され月経周期は停止した。血中FSH, LH, P, E2,およびインヒビン濃度は、投与したPMの容量増加に従って低下した。投与中止後、PM10mgおよび100mg投与群では排卵が回復したが、PM100mg投与群では、60日間は排卵の回復は認められなかった。また、血中各種ホルモンの濃度も、100mg投与群では回復が遅延した。 以上の成果から、PMはアカゲザルの視床下部・下垂体に作用して性腺刺激ホルモン(FSHとLH)分泌を抑制し、その結果として卵巣機能が抑制されると推察された。
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Research Products
(1 results)