2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい避妊法による野生霊長類の生息数調節法の開発に関する研究
Project/Area Number |
05F05480
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田谷 一善 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRISONBOON Hataitip 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | DEP / PNMPP / 植物エストロジェン / 内分泌撹乱化学物質 / 避妊剤 / 男性不妊症 / インヒビン / 性腺刺激ホルモン |
Research Abstract |
平成19年度は、男性不妊症治療の目的で使用されているタイ民間薬Kaempferia parviflora(KP)を用いて、精巣機能と性行動に及ぼす影響を明らかにした(実験I)。また、ディーゼル排気微粒子(DEP)から単離したニトロフェノールで生殖機能への影響が危惧されている4-nitro-3-phenylphenol(PNMPP)を用いて下垂体からのLH、FSH、プロラクチン分泌、精巣からのテストステロン分泌および副腎からのコルチコステロン分泌について検討し、生殖機能および副腎機能への影響を明らかにした(実験II)。 実験I.KPの精巣機能に及ぼす影響 成熟雄ラットにKPを投与し、交尾行動に及ぼす影響を観察すると共に血中精巣ホルモンおよび性腺刺激ホルモンを測定した。その結果、交尾行動および精巣ホルモン・性腺刺激ホルモン濃度は対照群と差が認められなかった。以上の結果から、KPの精巣機能増強作用は精巣への直接作用ではなく、精巣以外の器官に対する間接的な作用であろうと推察された。 実験II.PNMPPの生殖毒性 幼若雄ラットの精巣を摘出し、テストステロンチューブを移植したハッシュバーガー動物モデルを用いて、PNMPPのエストロジェン作用とアンドロジェン作用を検討した。その結果、PNMPPの高用量(0.1〜10mg/kgBW)では、血中FSHとLH濃度が低下し、プロラクチン濃度が上昇した。一方低用量では、血中FSH濃度の上昇が認められた。以上の結果から、PNMPPは、視床下部・下垂体に対して、高用量ではエストロジェン作用を有し、低用量では抗アンドロジェン作用を有する事実を明らかにした。
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Research Products
(4 results)