2007 Fiscal Year Annual Research Report
牛の肝疾患時における酸化ストレスの肝生検による評価に関する研究
Project/Area Number |
05F05483
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 準 Iwate University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABD ELLAH Mahmoud Rushdi 岩手大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 牛 / 脂肪肝 / 酸化ストレス / 肝生検 / DLエチオニン / glutathione reductase (GR) / glutathione(Glut) / マイクロアレイ分析 |
Research Abstract |
牛の肝臓に脂肪変性を生じさせるため、前年度の予備実験から牛に投与するDLエチオニン量は12.5mg/kgとした。秤量したDLエチオニンを1lの生理食塩水で溶解・濾過滅菌したものを腹腔内に投与した。3頭のホルスタインメス成牛を用いて、投与前、投与後4、7,10日目に血液と肝臓組織を採材した。また対照として2頭のホルスタインメス成牛を用いて生理食塩水を投与し、同様に血液と肝臓組織を採材した。牛の右側第10-11肋間の皮膚を剃毛消毒後小切開して、14G200mmの臓器生検針(バードバイオプティカット針)を刺入して肝臓組織を採取した。1回の生検で5〜7片の肝臓組織を採取した。一部は病理組織検査用に10%ホルマリン固定し、残りは直ちに液体窒素で凍結し分析時まで保存した。肝臓組織はトリス緩衝液とともにホモジナイズし、その上清中のsuperoxide dismutase (SOD)、catalase (Cat)、glutathione reductase (GR)、glutathione (Glut)などの酵素活性とlipoperoxidation産物を測定した。同時に全血中のこれら酵素活性も測定して比較検討した。凍結肝臓組織の一部は遺伝子レベルでの肝組織の変化を検討するためにマイクロアレイ分析に供試した。 投与後4日にはSOD、Cat活性は著しく低下し、GR、Glut活性とlipoperoxidation産物は著しく増加した。10日後には変動は投与前レベルに戻っていた。マイクロアレイ分析では投与後に2倍以上ないし1/2以下に変動した遺伝子数は446あり、それらの発現傾向をk-means解析すると、投与後4日で著しく上昇したが7日には元に戻っていた遺伝子数は37,投与後7日まで緩やかに上昇続けたものが56、著しい上昇は48遺伝子あった。投与後10日目まで処理前より低値であったのが112、著しく上昇したのは66遺伝子あった。
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Research Products
(1 results)