2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05486
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG Jinglei 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 脂質滴 / TIP47 / コレステロール / ADRP / オートファジー / PI3キナーゼ |
Research Abstract |
脂質滴および細胞内脂質動態についての検索を行い,以下の成果を得た. 1)脂質滴特異的なPAT蛋白質の一つであるTIP47はADRPなどと類似しているが,正常培養条件下ではほとんど脂質滴に局在せず,大半は細胞質の可溶性蛋白質として存在する.本年度の実験により,細胞に脂肪酸などを負荷することにより,TIP47が急速に脂質滴にリクルートされることが明らかになった.また同一細胞内にはADRPとTIP47の両者を持つ脂質滴が大半を占めるが,ADRPのみあるいはTIP47のみの脂質滴もあり,多様な脂質滴が存在することが判明した.RNAiによりTIP47をノックダウンしてもADRPの発現量はほとんど変化しなかったが,逆にADRPを減少させるとTIP47の発現量が増加して脂質滴にリクルートされる傾向を示し,両者の機能の相補性が示唆された.種々のTIP47変異体を作製して細胞内局在を検索した結果,脂質滴への局在にはTIP47のN末が必須であり,また疎水性ポケットを形成すると予測されているC末部分を変異させると,正常培養条件でも脂質滴への局在が認められるようになった.これらの結果はADRPなどの結果と異なっており,TIP47のユニークさを示唆した. 2)蛋白質分解系として注目されているオートファジーについて脂質との関連を検索した.methyl-β-cyclodextrin処理またはlipoprotein欠乏血清とスタチン存在下の培養でコレステロール含量を減少させると,オートファジーが誘導されることを見出した.この誘導効果は3-methyladenineなどのPI3キナーゼ阻害剤で阻害された.この経路は従来知られておらず,脂質ホメオスターシスとオートファジーの連関を示唆した.
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Research Products
(3 results)