2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05490
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 純一 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANG Jing Jing 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ES細胞 / 内胚葉系細胞 / 転写因子遺伝子 |
Research Abstract |
ES細胞からインスリン産生細胞を直接分化させる方法が我々を含めた複数の研究室から報告されているが、これらのインスリン産生細胞は細胞系譜からみてproperな分化とは異なり、機能的にも十分でないものが多い。そこで、より細胞系譜をproperなものに近づける目的で、ES細胞をまず、インスリン産生細胞が由来する内胚葉細胞に分化させ、その細胞をインスリン産生細胞に分化させる方法論を確立し、グルコース応答性を含めた細胞機能を十分に持つ、インスリン産生細胞を分化誘導させることにある。そこで、我々は内胚葉初期発生に重要な役割を果たしているSox17遺伝子に着目し、我々はテトラサイクリンによりSox17遺伝子を誘導可能なES細胞を樹立している。この細胞はSox17遺伝子の強制発現により内胚葉系細胞に分化することを明らかにしてきたが、分化する細胞数は少ない。そこで、前年度には、培養方法の改善を行った。その結果、未分化状態を維持する条件でsphere状に培養することにより、外層の細胞を内胚葉系細胞に分化誘導できることを見出した。平成18年度にはこの細胞を用いて、転写因子遺伝子をアデノウイルスベクターで導入することにより、分化実験を行った。その結果、Pdx-1,MafA, NeuroD1遺伝子の導入により、インスリン遺伝子発現が誘導されることが明らかになった。また、Pax6遺伝子導入ではグルカゴン遺伝子導入が可能であった。また、Sox17遺伝子以外にも内胚葉系細胞が誘導可能な細胞を確立するため、種々の内胚葉分化因子遺伝子導入を行ったところGATA4遺伝子でも内胚葉系細胞への誘導が可能であることを見出した。
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