2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的DNA損傷によるドパミン神経変性とその防御機構の研究
Project/Area Number |
05F05493
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中別府 雄作 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHENG Z. 九州大学, 生体防御医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化ストレス / 8-オキソグアニン / 線条体 / OGG1 / MTH1 / MUTYH / ノックアウトマウス / 3-ニトロプロピオン酸 |
Research Abstract |
外国人特別研究員の盛子敬は、3-ニトロプロピオン酸(3-NP)による線条体変性の機序を明らかにする目的で、腹腔内に埋め込んだ浸透圧ポンプで3-NPを慢性投与した野生型マウスの生存率、運動機能、そして脳における8-oxoGの蓄積を詳細に解析した.その結果,3-NP投与開始から4日目から死亡するマウスが出現し、1週間後に約35-40%のマウスが死亡した。運動機能の低下も4日頃から顕著になり、投与1週間後にはロタロッドテストで80%までの運動機能低下が観察された。オープンフィールドにおける総運動距離もコントロールの30%レベルまで低下することが観察された。投与1週間後のマウス脳における8-oxoGの蓄積を免疫染色法で検討したところ、神経細胞の脱落とミクログリアの増生がみられる線条体でのみ顕著な8-oxoGの蓄積が観察された。8-oxoGは線条体の中型有棘神経細胞の核とミトコンドリアの両方に蓄積しており、TH陽性のドパミン神経終末では蓄積は見られなかった。MTH1/OGG1二重欠損マウスに3-NPを投与すると野生型に比べて顕著な行動量の低下を認め,線条体有棘神経細胞の核とミトコンドリアに8-oxoGが著明に蓄積し,神経細胞の脱落を引き起すことが明らかになった。
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