2005 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ型トリパノソーマのジヒドロオロト酸脱水素酵素を標的にした新規薬剤の開発
Project/Area Number |
05F05494
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北 潔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
INAOKA D.K. 東京大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トリパノソーマ / ジヒドロオロト酸脱水素酵素 / 結晶構造解析 / 薬剤設計 / 反応機構 |
Research Abstract |
本研究の目的はアメリカトリパノソーマにおいてピリミジン代謝と細胞のレドックス調節に関わっているジヒドロオロト酸脱水素酵素(TcDHOD)を標的にし、結晶構造に基づいた薬剤設計から抗トリパノソーマ薬を開発する事にある。平成17年度は5ヶ月間と短期間であることから以下の2点に焦点を絞り研究を行った。 1)組み換えTcDHODを発現する大腸菌をジャーファーメンターを用いて大量培養し、解析に必要なTcDHODを精製した。基本的な精製方法はすでに確立しており、これにしたがって今後の結晶解析に必要な標品を充分に準備した。精製は大量の培養系(100リッター以上)、陰イオン交換カラム、疎水性カラム、ゲルろ過を用いて行い精製蛋白質の純度は電気泳動、TcDHODの比活性とゲルろ過を用いて確認した。 2)TcDHODの酵素反応はジヒドロオロト酸を酸化してオロト酸を生成する第一反応とその還元力を用いてフマル酸からコハク酸を生成する第二反応から構成されているが、その反応機構に関しては最終的結論は得られてない。本酵素の特異的阻害剤の分子設計には反応機構の解明は必須であり、基質および生成物との複合体の結晶解析から反応機構を明らかにする目的で、各中間反応生成物との共結晶を試みた。共結晶においては第一反応の生成物であるオロト酸と酵素反応の拮抗阻害剤であるオキソン酸の共結晶を得ることができた。この結晶を兵庫県にあるSPring-8でX線構造解析の実験を行いその結果からこの二種類のリガンドの電子密度からTcDHODと結合が確認できている。
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Research Products
(1 results)