2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける三日熱マラリア原虫の分布と抗原多型の集団遺伝学的解析
Project/Area Number |
05F05495
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田辺 和裄 Osaka University, 微生物病研究所, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RICHARD Culleton 大阪大学, 微生物病研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マラリア / Plasmodium vivax / アフリカ / ダフィー抗原 / 感染症 / 集団遺伝 |
Research Abstract |
三日熱マラリアはアフリカには分布せず、その理由は三日熱マラリア原虫(P. vivax)の赤血球侵入においてレセプターとなるダフィー抗原がアフリカ人において陰性であるから、とされている。しかし、アフリカへの渡航者が三日熱マラリアに感染している事実は、アフリカにおいても三日熱マラリアが伝播していることを意味する。ただ、その実態が不明なだけである。本研究は、アフリカにおけるP. vivaxの分布と起源、及び、伝播と集団遺伝を理解することである。 今年度は西アフリカを中心に調査検体数を増やし、これまでとあわせて計2,588検体についてヒト4種マラリア原虫のPCR診断を行った。その結果、P. vivax陽性は1例のみであった。この結果は、サハラ以南のアフリカでは三日熱マラリアの分布は極めて低いことを示す。 三日熱マラリア原虫の抗原に対する血清抗体の有無をELISA法で測定した。コンゴ共和国Ponte-Noire市住民406人のうち、抗体陽性はP. vivaxスポロゾイト表面抗原CSPでは9例で確認された。9例のうち、3例はP. vivaxメロゾイト表面抗原MSP-1に対しても陽性であった。すべての陽性者はDuffy抗原陰性で、かつ、外国への旅行歴はなかった。以上は、三日熱マラリア原虫の伝播がDuffy抗原陰性率の高い地域でも維持されていることを示唆する。 アフリカにおけるP. vivax集団の起源年代を推定するために、アフリカ5株、マダガスカル18株、トルコ10株のミトコンドリアゲノムDNA塩基配列を決定した。既登録シーケンスを合わせて解析した結果、アフリカ集団では他の地域に比べて多様性が少なかった。これはアフリカのP. vivaxは比較的最近になってから他の地域、恐らくアジア、からアフリカに渡ってきたことを示唆する。
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Research Products
(10 results)