2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける三日熱マラリア原虫の分布と抗原多型の集団遺伝学的研究
Project/Area Number |
05F05495
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田辺 和裄 大阪工業大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RICHARD Culleton 大阪工業大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | マラリア / Plasmodium vivax / アフリカ / ダフィー抗原 / 感染症 / 集団遺伝 |
Research Abstract |
三日熱マラリアはアフリカには分布せず、その理由は三日熱マラリア原虫(P.vivax)の赤血球侵入においてレセプターとなるダフィー抗原がアフリカ人において陰性であるから、とされている。しかし、アフリカにおいても三日熱マラリアは存在する。その実態が不明なだけである。本研究は、アフリカ大陸各地からマラリア感染血液サンプルを調べ、アフリカにおける三日熱マラリア原虫の分布とその起源(アフリカ固有か、他の大陸からか)を推定するものである。 本年度はまず、アフリカ各地(アンゴラ、ガボン、コンゴ、モザンビーク、ルワンダ、サントメ)からマラリア感染血液、計593検体をFTA濾紙、または通常濾紙により採取した。得た濾紙血液から原虫のゲノムDNAを抽出した。4種のヒトマラリア原虫種の鑑別分類は核ゲノムの18SリボソームRNA遺伝子を標的にして行った。まず、ヒト寄生性のPlasmodium属に共通な塩基配列に基づくプライマーにより標的遺伝子をPCR増幅し、次にPCR産物を熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、及び、卵型マラリア原虫に特異的なプライマーを用いて鑑別同定を行った。予備的研究により、我々のPCR鑑別診断法の感度は種特異性が高く、また、感度も1〜数コピーの原虫の存在で確認できること認めた。 計593検体のサンプルの大半(505検体)は熱帯熱マラリア原虫に陽性であった。三日熱マラリア原虫は予想通り少なかったが、それでも陽性例を2例認めた。四日熱及び卵形マラリア原虫はそれぞれ6検体ずつ陽性であった。2例の三日熱マラリア原虫はメロゾイト表面抗原遺伝子(pvmsp1)のシーケンスから三日熱マラリア原虫であることを確認した。
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Research Products
(1 results)