2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規制御性T細胞の自己免疫疾患への関わりの解明と同細胞の骨髄移植への適用
Project/Area Number |
05F05496
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIFA'I Muhaimin 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 制御性T細胞 / CD8陽性 / EAE / 骨髄移植 / CD122 / IL-2受容体 / 自己免疫 / GVH |
Research Abstract |
1.自己免疫疾患への関わりの解明 マウスEAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)について、CD8^+CD122^+制御性T細胞がどう関わるかの解析を行なった。EAEは、C57BL/6マウスにMOG(ミエリン稀突起細胞糖タンパク)を強力なアジュバントとともに免疫することで誘導した。他に処置をしない場合には、免疫後10日目頃から症状(四肢と尾の麻痺)が現れ始め、16日目前後をピークとして症状は徐々に軽快していく。免疫前に抗CD122抗体をin vivo投与し、CD8^+CD122^+制御性T細胞を除去しておいたマウスにEAEを誘導すると、症状の現れる時期やピークの症状の激しさは変わらないものの、ピーク後の症状の消退が見られずに、激しい症状のまま数十日が経過した。そこで、抗体処置をして激しい症状が続くマウスに、他の同系マウスからとったCD8^+CD122^+制御性T細胞を移入すると、速やかに症状が軽快していく現象が見られた。CD8^+CD122^+制御性T細胞は、EAE(ヒト多発性硬化笙のモデルと言われる)の快復に重要な役割をしている可能性が示唆された。 2.骨髄移植への適用 C57BL/6マウスの骨髄細胞をBALB/cマウスに移植する、完全異系統問の骨髄移植を行ない、そこにCD8^+CD122^+制御性T細胞がどう関わるかを調べた。単純に骨髄移植を行なっただけでは、T細胞のドナー型への置き換わりは非常に悪く、また慢性GVH様の反応が現れてマウスの体重減少が著しかった。しかし、骨髄細胞と同時に5×10^5個のドナー系統マウス由来のCD8^+CD122^+制御性T細胞を同時に移入した場合、きれいにT細胞を含めた全ての血球がドナー型に置き換わり、GVH様の反応は見られず、マウスの体重減少も観察されなかった。これは、CD8^+CD122^+制御性T細胞の骨髄移植への応用を強く示唆する実験結果であった。
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Research Products
(1 results)