2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規制御性T細胞の自己免疫疾患への関わりの解明と同細胞の骨髄移植への適用
Project/Area Number |
05F05496
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIFA'I Muhaimin 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 制御性T細胞 / CD8+ / CD122 / 自己免疫疾患 / 骨髄移植 / EAE |
Research Abstract |
CD8^+CD122^+制御性T細胞の自己免疫疾患への関わり 主に、ヒト多発性硬化症の動物モデルと言われるマウス実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を用いて、CD8^+CD122^+制御性T細胞の効果を検討した。抗CD122抗体をin vivo投与してCD8^+CD122^+制御性T細胞を除去しておいたマウスにEAEを誘導した場合、対照マウスに比べて、その症状が強いまま継続することがわかった。その症状が回復しないマウスに、CD8^+CD122^+制御性T細胞を移入するとEAE症状が劇的に快復することから、CD8^+CD122^+制御性T細胞がEAE症状の快復期に必須の役割を果たしていることが証明された。また、EAEの症状はT細胞の出すIFN-γとIL-10のバランスに非常によく相関していることもわかった。 CD8^+CD122^+制御性T細胞の同種間骨髄移植への適用 C57BL/6マウスをドナーに、BALB/cマウスをホストにした骨髄移植を行い、骨髄細胞の移入と同時にドナー系統マウス由来のCD8^+122^+細胞を移入してその効果を検討した。骨髄細胞の単独移入ではマウスは次第に衰弱して体重減少を起こしたが、CD8^+CD122^+細胞を同時に移入したマウスは比較的健康で体重減少も軽微であった。このような骨髄移植後の現象がどのような機構で起こっているのかを解明するために血球の状態を調べたところ、全身状態の悪くなったマウスではホスト側の血球細胞が特にT細胞で多く残っていることがわかり、骨髄移植がうまく行われておらず、ホスト側の免疫細胞がドナー側細胞に対して免疫応答を起こしていることが示唆された。一方、制御性T細胞を移入して状態の良いマウスではT細胞も含めた血球が全てドナー型の細胞に置き換わって骨髄移植が成功しており、同種間骨髄移植に対するCD8^+CD122^+制御性T細胞の有用性が示された。
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Research Products
(5 results)