2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉法を用いたアグリカナーゼ-3ノックダウンによる関節炎治療開発
Project/Area Number |
05F05502
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 善文 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DEMIRCAN K. 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 軟骨 / アグリカン / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、RNA干渉法にてアグリカナーゼ-3の機能をノックダウンするなどの方法を用いて、アグリカン分解へ与える影響を検討することである。アグリカナーゼ-3は関節炎の早期の時点で発現が誘導されることが明らかとなっているが、アグリカナーゼ-3のみの阻害でアグリカン分解を抑制することが可能であれば、アグリカナーゼ-3特異的に機能を阻害する抗体が関節炎の治療に応用することが可能となる。また、最近の予備実験にて機械的刺激による関節破壊にアグリカナーゼ-3が関与している可能性が示唆されたために、あわせてストレスによる関節破壊の過程におけるアグリカナーゼ-3の発現を検討する。 今年度は、前年度に樹立した、機械的刺激(メカニカルストレス)を細胞に負荷する実験系をさらに発展させる実験系を構築した。すなわち、従来0.33Hzの周期で16%または、1Hzの周期で20%細胞を伸展させる刺激を30分負荷として実施していた。しかし、よりヒトの膝関節軟骨にかかる荷重、すなわちメカニカルストレスを再現するには、伸展刺激ではなく圧縮刺激のほうが適していると考え、ラット新生児膝軟骨細胞を0.33Hzまたは、1Hzの周期で7%細胞を押し縮める刺激を30分加え、負荷とすることとした。負荷終了後、1,3,6,12時間後にRNAを抽出し、アグリカナーゼの発現を検討する実験を計画したが、RNA回収時に細胞を観察すると殆どの細胞が死滅していた。そこで、圧縮刺激の条件設定を色々と行ったが、いずれの実験系でも良好な結果は得られなかった。またメカニカルストレス受容体に関する探索も行い、ヒトアグリカナーゼ-3のプロモーター領域(約2000塩基対)を得ることに成功した。これにより遺伝子発現制御に関する検討を来年度実施可能である。
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Research Products
(5 results)