2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05505
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Yan 昭和大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザーマイクロダイセクション / 遺伝子解析 / 唾液腺 / 悪性腫瘍 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本年度は、すでに検索中である腺様嚢胞癌におけるTIMPの発現を症例を追加して検討した。その結果多数の症例において我々の結果と一致し、より予後が良いと報告されている管状型の腺様嚢胞癌において高いTIMPの発現を認めた。一部の症例で管状型のパターンを示しているにも関わらずTIMPの発現が低い症例も認められたが、現在までの結果ではそのような症例は予後の悪い症例が多く、TIMPの発現量が予後とより密接に関連している可能性も考えられる。さらに我々は、やはり比較的頻度の高い唾液腺悪性腫瘍である粘表皮癌においても、粘液産生細胞、中間細胞、類表皮細胞をそれぞれレーザーマイクロダイセクション法により回収し遺伝子解析を行った。その結果、類表皮細胞においてTIMPの発現が低下している傾向にあり、篩状型の腺様嚢胞癌と類似した結果を得た。この結果は粘表皮癌においても予後が悪いと言われている低分化型に多く認められる類表皮細胞が腫瘍のアグレッシブな進展に関連する可能性を示唆するものであった。またケラチンの発現にも変化が認められ(現在各種ケラチンについて検索中)細胞分化とTIMPの発現との関連性も見出される可能性がある。現段階ではいずれも検索中であるが、これらの結果は、唾液腺腫瘍の進展・予後には広くTIMPの発現が関連していることを示唆しており、TIMPの発現量が広く唾液腺悪性腫瘍の予後を予測する指標となりうる可能性を示していると考えられる。今後の方向性としては極めて悪性度の高いといわれている唾液導管癌(salivary duct carcinoma)の症例を検索対象に含め、TIMPの関連や、さらなる新しい遺伝子の関与について明らかにすることを考えている。
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Research Products
(1 results)