2005 Fiscal Year Annual Research Report
K540 理研リングサイクロトロン用可変周波数フラットトップ共振器の設計
Project/Area Number |
05F05603
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
後藤 彰 独立行政法人理化学研究所, 加速器技術開発グループ, グループディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STINGELIN Lukas 独立行政法人理化学研究所, 加速器技術開発グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | フラットトップ共振器 / 3次元高周波電場計算 / 3次元磁場計算 / ビーム軌道計算 / リングサイクロトロン / 加速器 |
Research Abstract |
有限要素法による市販の3次元シミュレーションコードANSYSを用いて、理研リングサイクロトロンに導入することを計画しているフラットトップ共振器(基本周波数の3倍の周波数で運転)の高周波電場計算を行い、そのサイズと形状を決定した。入射・取出し機器で限定された狭い空間に納まりかつ効率良く電場を発生させるのに最適な形状はステム2本・ダブルギャップという方式の共振器であることがわかった。計算によると、必要電力は最大15kW、54〜120MHzの範囲の共振周波数を達成するショート板の位置の必要可変範囲は約80cmであること、高周波パワーを入力する方式として容量結合方式が適していること、等の結果が得られた。 フラットトップ共振器の電場がビームに与える効果を詳細に調べるためにはビーム軌道計算プログラムによる計算が必要となる。そのために、リングサイクロトロンのセクター電磁石が発生させる磁場の分布を同じくANSYSを用いて計算した。これまでに、セクター中心線上での分布で比較した場合、計算値が測定値を1%以下の精度で再現することを確認している。一方、ビーム軌道計算プログラムはすでにわれわれがち独自に開発したものがあり、それを理研のコンピュータに委嘱する作業も終了した。今後磁場計算を進めていくつかの典型的な加速イオンに対する等時性磁場分布を求め、ビーム軌道計算を行い、フラットトップ共振器の形状を最適化する。
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