2006 Fiscal Year Annual Research Report
電極間のナノ物体を原子分解能で直接観察しながらその電気特性を測定する技術の開発
Project/Area Number |
05F05604
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 寿 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIENTSCHNIG Gunther 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン / ナノチューブ / ナノワイヤー / STM / AFM / HRTEM |
Research Abstract |
金属カルコゲナイド(MoSxIy)のナノチューブとナノワイヤーを走査プローブ顕微鏡(STM)を用いて観察/観測し、それらの微視的構造と電気特性を明らかにした。局所的な分光により、ナノワイヤーの電気特性がストイキオメトリーに非常に敏感であり、合成条件を調節することによって制御できることが判つた。さらに、我々はこの物質が特筆に値する機械的特性を示すことを見いだした。すなわち、AFMマニピュレーションを用いて、Mo6SxIyのナノワイヤーが30%以上塑性変形することなく伸張できることや、可逆的に自在に曲げたり、切断・溶融などの加工が可能であることが明らかになった。カーボン系の類似構造と異なり、この物質は単一相であるので、デバイス応用などに適している。 フラーレンが単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の外側に共有結合した、新しいハイブリッドナノ炭素構造体(Carbon Nano Buds)を、高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)と低温STM&STSを用いて、微視的に研究した。 物理吸着したフラーレンがTEM観測下で動き回るのに対し、この物質のHRTEM像は安定であり、CWCNTに強く結合していることを示唆している。HRTEM像からC60が主たる成分であることが判った。STMトポグラフ像もSWCNTに付着したフラーレンのケージ構造が高バイアスのイメージングに対して安定であることを示している。 トンネル電流イメージ分光の測定から、フラーレンのごく近傍(〜1.5nm)でのみSWCNTの電子特性が変化していることが判明した。このことは、SWCNTのオーバーオールな電気特性はフラーレンを付加したことにより大きな影響を受けていないことを示している。従って、この新しいハイブリッド炭素構造は、SWCNTの特性を保ったままで化学的に活性なフラーレン部を通して、選択的なファンクショナライゼーションのための新たな化学反応のルートを提供するものであり、今後の応用展開が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] A novel hybrid carbon material2007
Author(s)
A.G.Nasibulin, P.V.Pikhitsa, H.Jiang, D.P.Brown, A.V.Krasheninnikov, A.S.Anisimov, P.Queipo, A.Moisala, D.Gonzalez, G.Lientshnig, A.Hassanien, S.D.Shandakov, G.Lolli, D.E.Resasco, M.Choi, D.Tomanek, E.I.Kauppinen
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Journal Title
Nature Nanotechnology 2・3
Pages: 156-161
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