2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハワイ玄武岩ソースの起源に関する地球科学的・岩石学的研究
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05F05608
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
巽 好幸 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REN Zhong-Yuan 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ハワイ / マントルプルーム / 同位体 / 微量元素 |
Research Abstract |
本年度は、ハワイ火山の海底から採集した新鮮なサンプルを用いて、主成分、微量元素とHe(Hf同位体は分析中)同位体組成を分析した。これまで任鐘元が研究してきた岩石学地球化学を基礎として、新しく得られたデーターを加え、ハワイの玄武岩マグマ生成とハワイマントルプルームのソースの起源に関して総合的に研究を行っている。その成果の一部は去年12月アメリカ地球物理学学会主催の国際会議(2005 AGU Fall Meeting)で発表し、されに今年の中国広州で行われるInternational Conference on Continental Volcanism-IAVCEI 2006国際会議で発表する予定である。 ハワイ楯状火山は地理的にKea-,Loa-trendに沿って分布しており、その二つのトレンドに属する岩石は異なる地球化学的特徴を持っていると考えられてきた。その地球化学的特徴の差を説明するため、従来ではハワイマントルプルームの物質が組成的に円心状的、或いは左-右横方向的にゾーニングしているというモデルが多くの研究者によって提案された。しかし今回、全岩の組成そしてolivine結晶に含まれているメルト包有物の組成を検討し、ハワイマントルプルームの中の物質はゾーニングしていないと結論し、今までと違う新しいモデルを提案した。ハワイ各火山は成長につれて、そのマグマのソースがマントルプルームの軸部から縁に移動するが、楯状火山岩の地球化学的特徴の相違性は、ソースに含まれる三つの端成分の混合割合の違いを反映し、その混合割合はプリューム中の温度勾配と異なる物質の部分融解度の違いによってコントロールされる。この新しいハワイマントルプルームモデルは論文としてNature(2005)とJ.Petrology(2006)に出版された。
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Research Products
(2 results)