2005 Fiscal Year Annual Research Report
完全スピン偏極強磁性体薄膜の作製と評価及びそのスピントロニクス素子への応用
Project/Area Number |
05F05611
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋永 広幸 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Wenhong 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / 完全スピン偏極強磁性体 / 強磁性半導体 / 薄膜成長 / スピン |
Research Abstract |
本研究では、閃亜鉛鉱型ヒ化クロム(zb-CrAs:zbはzinc-blendeの略)等、完全スピン偏極強磁性体薄膜及びその多層膜構造の特性評価を行い、更に、その薄膜を用いてスピン依存磁気輸送現象を示す素子構造を開発することを最終目標とする。より具体的には、完全スピン偏極強磁性体において、そのスピン偏極度など固有物性値を決定することを第1の目標とする。第1の目標達成に向けた詳細計画としては、薄膜作製、その高品質化と構造評価、更には薄膜の低抵抗化と磁気輸送現象測定を行う。 平成17年度は、まず、上記の第1目標であるzb-CrAsにおける固有物性値の決定に向けて、薄膜作製及びその高品質化と構造評価を遂行した。特に、従来から克服すべき課題となっていた当該物質の厚膜化・多層化を目指した研究を行い、MnAsとの多層膜を作製した。これらの研究成果に関しては、2005年12月8-10日に開催されたThe 2nd Asian Forum on Magnetics (Yongpyong, Korea)にて成果発表した。また、本年度は、スピントロニクス分野において希求されているシリコン(Si)との整合性が良い強磁性体薄膜の探索を上記の研究課題と並行して実施した。その研究戦略として、(1)Siベースワイドギャップ半導体への磁性元素ドーピング、(2)SiあるいはSiベースワイドギャップ半導体基板上への強磁性体薄膜の作製、を実施することにした。磁性元素がドープされたSiベースワイドギャップ半導体は完全スピン偏極強磁性体となる可能性が指摘されており、高い強磁性転移温度を示す材料の開発に成功すれば、一気に実用化へ向けた材料となる可能性があることから、当該分野に与える影響は極めて大きい。より具体的には、シリコンカーバイド(SiC)に磁性元素であるMnを導入した物質を合成し、その磁気特性の評価を行った。
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Research Products
(4 results)