2006 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャルアルミナ膜の成長制御と物性その場評価
Project/Area Number |
05F05613
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉武 道子 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主席研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSUD Nataliya 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | アルミナ / その場観察 |
Research Abstract |
受入研究室において開発した方法を用いて、超高真空中、非常に低い酸素分圧下においてCu-9Al(111)単結晶表面を酸化することにより作製される、厚さ1-4nmのエピタキシャルアルミナ膜のトンネルバリア、担持基板としての性質を検討するために、エピタキシャルアルミナ膜上へのリン酸基有機分子の自己組織化に関する研究を行った。 まず、リン酸基有機分子を超高真空中でアルミナ膜に吸着させるための条件を見出した。リン酸基有機分子として、比較的安定性が高く、真空蒸着法に適切なフェニルリン酸を選び、反応を起こさないガラス容器中に入れて、外部からヒーターにより加熱昇華させて蒸着する方法を試み、その成長を、X線光電子分光法(XPS)、紫外光電子分光法(UPS)、低速電子線回折(LEED)、反射高速電子線回折(RHEED)、ケルビンプローブ法を用いて、その場観察した。 温度や蒸着時間を変化させて、蒸着後のP2pのX線光電子ピーク強度を測定し、最適な蒸着条件を求めた結果、蒸着の最適温度は350Kで、蒸着速度を変化させることで単分子膜で成長が止まる条件と多層に膜成長する条件を使い分けできることを示した。また、P2pピークの結合エネルギーより、アルミナ膜とリン酸との結合状態を解析した結果、ビニルリン酸で理論計算されているのと同様、リン酸基を介してリン酸とアルミナ膜が結合していることが判明した。
|
Research Products
(1 results)