2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド-オンライン圧密沈下解析システムの実用問題への適用性評価
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05F05618
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
渡部 要一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部・土質研究室, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KWON Yongcheul 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部・土質研究室, 特別研究員
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Keywords | 圧密沈下 / 圧密試験 / ハイブリッドシミュレーション / オンライン試験 / 粘土 |
Research Abstract |
土の力学挙動を数値的に計算するために,室内で行われる試験結果から得られた土の挙動を数値的に理想化した力学モデルを用いることが一般である。一方,要素試験結果を数値計算に直接利用する数値実験の一つであるオンライン実験方法では,土の構成関係がリアルタイムで更新されるので,力学モデルの入力は省略できる。著者らはオンライン実験方法を圧密問題に適用することを試みてきた。これまでの研究を通じて,室内検証や道路盛土の圧密沈下解析にこの方法を適用して検証してきたが,システムの検証実験を行う際に,要素が代表する層の厚さや数値モデル層存在の影響などを完全に取除くことが出来なかった。このような背景から,今年度の研究では上記2つの影響因子を考慮し,予備圧密した100mmのカオリン粘土の圧密現象を5連式のオンライン実験で再現することにした。比較データを得るために同一条件下で分割型圧密試験(STC)も行った。実験結果から、分割型圧密試験結果は応力レベルの増加に伴って下方にシフトしていくことが確認でき,オンライン試験結果は圧縮性をよく再現できていることが分かった。なお、オンライン試験の体積圧縮係数を定ひずみ圧密試験結果と比較しても,両者が良く一致していることが分かった。しかし、入力データである透水係数の相違とシステム制御速度の影響で分割型圧密試験結果に比べてオンライン実験の過剰間隙水圧の消散が若干速かった。これについては,圧縮性の更新回数より回数を減らして,透水性もリアルタイムで更新されるようにするなどの工夫や間隙水圧が安定するまでの待機時間を長く取るなど、今後システムの改善を図るべきであることも分かった。
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