2006 Fiscal Year Annual Research Report
異方性誘導による高周波帯域ナノ結晶軟磁性材料の開発
Project/Area Number |
05F05621
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GERCSI Zsolt 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | ナノ結晶 / スピン分極率 |
Research Abstract |
本研究ではFe-Si-B-Nb-Cuナノ結晶軟磁性材料をバルク化するために、液体急冷アモルファス薄帯を重ね合わせ、スパークプラズマ焼結法で固化形成し、その軟磁気特性の評価を行った。しかしながら、期待したような軟磁気特性がえられなかったので、研究計画を変更しおもに強磁性ホイスラー合金のスピン分極率測定ならびにスピン分極率の第一原理計算を行った。Co2FeSiホイスラー合金の強磁性薄膜から構成される磁性トンネルジャンクション(MTJ)のトンネル磁気抵抗値(TMR)から予測されるCo2FeSiのスピン分極率が0.5であった。一方、点接触アンドレープ反射(PCAR)により十分にアニールされたCo2FeSi合金のスピン分極率もほぼ0.5であったことから、アルミナをトンネル障壁とするMTJではTMR値から測定されるトンネル電子のスピン分極率とPCARにより測定される電子のスピン分極率が極めて良い一致をしめすことが確認された。その後、第一原理計算によりCo2FeSil-xAlにおいてx=0.5のとき最も高いスピン分極率が期待されることを示し、PCAR測定によって、この理論予測が正しいことを示した。この第一原理計算によるスピン分極率の予測をさまざまなホイスラー合金組成について行うことにより、室温で高い分極率を達成できる合金を探索している。その計算結果を実験的に示すことにより、高いTMRを実現するために必要なハーフメタル強磁性電極材料の探索を行っている。
|
Research Products
(1 results)