2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを利用する無機イオン分離計測技術の簡素化に関する研究
Project/Area Number |
05F05626
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松永 英之 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DEIVASIGAMANI Prabhakaran 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 簡易計測 / 分離濃縮 / 有害無機イオン / 化学センサー / LB膜 / ナノポア微細粒子 / 分子認識 / ゾルゲル法 |
Research Abstract |
本研究は、産業排水や環境水に含まれる微量無機イオン類の簡素な分離濃縮及び計測技術の開発を目的とし、これらの技術の中核となる選択的認識と応答機能を持った新規な分離計測用材料をナノテクノロジー関連技術を用いて検討する。すなわち、(1)有機無機複合構造を創成できるゾル-ゲル法、(2)ラングミュアブロジェット膜などの自己組織化法、及び、(3)ナノポア多孔質材料の高分子グラフト法等、により微細粒子や平板状材料の内部や表面をナノサイズで化学修飾し、無機イオン応答性をもつ新しい材料を創製する。ついで、こうして得られる材料をもとに、特定の無機イオンに対する迅速な分離濃縮と簡素な計測技術を新規に開発する。 今年度は、ガラスプレートの表面を活性化させることにより反応性を高める手法について検討し、活性化した表面を機能性試薬で修飾する手法を検討した。すなわち、分子認識性試薬をラングミュアブロジェット(LB)法によりガラスプレートに累積被覆した分子認識性膜状材料を開発し、その認識特性を明らかにした。その結果、長鎖アルキル型アゾ色素と長鎖の側鎖を持つ高分子とによるLB膜を累積したガラス板材が良好なカドミウム検知材料になることがわかり、これについて、今年度特許出願を行った。同様に、基質としてポリ塩化ビニルシートを利用し高分子を利用しない作成法についても検討し、同じく良好な計測材料になることも確かめた。また、ポリスチレン微細ビーズについてクロロメチル化及びアミノメチル化により化学修飾して機能性分子によるグラフト化が可能な材料とし、これに金属イオンと選択的に反応する色素系キレート試薬などの機能性試薬を化学結合させることで、分子認識性多孔質微細粒子材料を合成した。これらの分子認識特性について、現在評価確認中である。
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Research Products
(1 results)