2006 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換高効率化に資するチタニアナノチューブの基礎物性に関する研究
Project/Area Number |
05F05628
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
神 哲郎 産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHI Bo 産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | チタニアナノチューブ / 非水溶媒陽極酸化法 / 色素増感型太陽電池 / 光電変換効率 / 開放電圧 / 短絡電流 / 光電気化学的測定 |
Research Abstract |
色素増感型太陽電池(DSSC)は新しいタイプの分子レベルの電気化学太陽電池であり、光吸収と電流発生はチタニアに結合した色素分子の中で起こる。この種の太陽電池の価格は商用シリコン太陽電池に比べて1/5~1/10である。しかしながら、DSSC電極としてのチタニアの改善はさらに必要でありチタニアのナノ構造について検討することが必要である。本研究ではナノレベルで構造制御したチタニアの合成と高光電変換効率のためのDSSC電極としての応用について検討した。さらに、可視応答チタニア光触媒としての応用も検討した。 チタニアナノチューブは非水溶媒陽極酸化法により合成した。組織化したナノチューブは水溶液電荷質系で合成したものに比べて高いアスペクト比であった。小さな電流密度で合成することにより表面が平滑でチューブの長さ方向に長いナノチューブを合成することができた。いくつかの合成条件に共通して、本方法で合成したナノチューブは数マイクロメーターの長さを持ちチューブ直径は100nmであった。このようにして合成したナノチューブは色素増感型太陽電池(DSSC)の電極として応用可能であり、さらに他の物質を用いたナノワイヤのテンプレートとして、加えて光触媒などにも応用添加できるだろう。 メソ孔を有するチタニア薄膜を蒸発誘導自己組織法により合成した。複数回ディップコーティングすることによって薄膜は3μm以上の厚みを生じ、メソ孔組織を保持していた。3次元で連続した細孔は平均細孔径7nmであり、表面積は有機色素を吸着させるのに十分な広さであった。光電気化学的測定から、3μm厚メソ孔チタニア薄膜を用いたDSSCを組んだ場合、開放電圧0.8V、短絡電流13mA/cm2で、光電変換効率は6%であった。この結果から約10μmという厚膜状のチタニア電極では非常に高い変換効率であることがわかった。
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Research Products
(4 results)