2005 Fiscal Year Annual Research Report
温和な条件下におけるシェールオイルのクリーン液体燃料への変換技術の開発
Project/Area Number |
05F05632
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
杉本 義一 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NARANGEREL Janchig 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | シェールオイル / 水素化脱硫 / 水素化脱窒素 / 窒素化合物 |
Research Abstract |
硫黄、窒素を多く含むシェールオイルを温和な反応条件化でクリーンな輸送用燃料へ転換することを目的とし、窒素化合物の分離技術と炭素質触媒について検討した。 シェールオイルの灯軽油留分(硫黄71000wppm、窒素9900wppm)について、メタノールおよび酸水溶液による抽出処理、および塩化銅による吸着処理を行ったところ、窒素除去率はそれぞれおよそ20%、50%、80%となり、塩化銅により窒素化合物の多くが吸着除去されることが分かった。シェールオイルおよび吸着処理したシェールオイル(硫黄70000wppm、2700wppm)を流通式反応装置により水素化処理(水素圧8MPa)した結果、脱硫速度が2倍程度、脱窒素速度が1桁増加し、350℃、LHSV 1h^<-1>で得られた生成油は、硫黄28wppm、窒素2wppmと非常にクリーンなものとなった。塩化銅による吸着処理では、脱窒素されにくいキノリン類やカルバゾール類が吸着除去され、脱窒素されやすいニトリル類が吸着されずに残存したため、脱窒素速度が大幅に増加したものと考えられる。現在、窒素化合物と塩化銅との錯体からの窒素化合物の回収法を検討している。 炭素質触媒については、いくつかの活性炭担体にNi、Moを担持して、オートクレーブによる活性試験を行った。高表面積活性炭(3000m^2)から調製した触媒は、市販のアルミナ系触媒に比べて、脱硫活性が1.6倍、脱窒素活性が2.2倍であった。
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