2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンC末端水解酵素、UCH-L1及びL3の神経細胞における機能解析
Project/Area Number |
05F05634
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
和田 圭司 国立精神・神経センター, 疾病研究第四部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KWON Jungkee 国立精神・神経センター, 疾病研究第四部, 外国人特別研究員
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Keywords | ユビキチン(Ub) / ユビキチンC末端水解酵素UCH / 神経初代培養細胞 |
Research Abstract |
ユビキチン(Ub)については、基質蛋白質のUb化の修飾形態とその結果生じるUb化蛋白質の機能変化についての解析が行われてきた。Ub化が蛋白質分解のみならず基質蛋白質の局在や輸送、さらには機能制御にまで関わっている事が明らかになった。しかし、可逆的なUb化反応の一端を担うはずの脱Ub化酵素の機能や、Ub化のソ-スであるUb分子そのものの量や質の制御機構についてはまだ何も明らかになっていない。 今回ユビキチンC末端水解酵素UCHの欠損マウスの解析を通して、UCHがin vitroの実験結果に基づいて推定されていた脱ユビキチン化酵素としての機能よりはむしろ、Ub単量体(mono Ub)やNedd8の制御を行っている分子である事がわかった。すなわち、UCHがUb化のソースであるUb分子そのものの量や質の制御に関与している可能性が推定される。 ユビキチンシステムの制御機構においてUCHが果たす役割を明らかにするため、細胞に種々のストレスを付加し、病態モデルマウスの組織におけるUb・UBLs量の変化や局在の変化を解析した。 神経系培養細胞であるSH-SY5Yと正常及びUCH-L1欠損マウス由来の神経初代培養細胞UCH-L1に対し、ノックダウン用アデノ随伴ウイルス、UCH-L1の正常型とUbが結合できない変異型過剰発現用アデノ随伴ウイルスを感染させ、UCH-L1の発現量を上下させた上でそれぞれの細胞に対して酸化ストレスなど、様々なストレスを付加し、ストレス応答性を細胞の生存を指標に解析した。また、これら細胞におけるUb、UCHの局在をそれらに対する特異的抗体を用いて免疫染色法により観察した。 これらの研究を通し、神経細胞における細胞周期とアポトーシスを規制するUCHのUb/UBLsに対する特異性や活性の基本的な見解を得ることができた。
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