2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質中のリガンド結合部位に関するゲノムワイドな解析
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05F05638
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
諏訪 牧子 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報科学研究センター, 副研究センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XAVIER Suresh 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 膜タンパク質 / リガンド結合 / 残基接触 / 露出表面積 / 二次構造 / 膜貫通 / 接触スコアパラメータ / データベース解析 |
Research Abstract |
膜タンパク質立体構造中のリガンド結合部位を解析し、配列から結合部位予測に向けた研究を行った。以下はその詳細である。 (1)PDBTM、PDBよりNMR構造や部分構造を除き170の膜タンパク質-リガンド結合体構造を得、金属イオン、糖鎖などのリガンド種に従って分類した。(2)アミノ酸残基の原子・側鎖・主鎖は、リガンドの原子との距離が4.5A以内であれば接触すると定義した。170の膜タンパク質-リガンド複合体では原子接触の7.2、27.9、64.9%は各々0-3.0、3.0-4.5、4.5-6.0Åでリガンドと接触していた。(3)原子接触レベルで見ると、金属リガンド結合部位ではCysの頻度が多く、立体構造でS-S結合関与のCysの内60%はリガンドに接触し、結合部位毎に平均3のS-S結合が見出された。Argは糖鎖接触部位、Trpは他のリガンド結合部位で顕著だった。主鎖接触レベルで見ると金属イオンにはCysの主鎖の接触が顕著だが、側鎖接触レベルでは、金属イオンとHis、糖鎖とArg、他リガンドとTripの接触が高頻度出現した。(4)リガンドと接触する残基の殆どは0-20%程度の露出表面積しかなく、α-ヘリックス型で75%、β-バレル型で60%の相互作用残基が埋没しており、リガンド結合部位が埋没残基で形成されることが判った.(5)αヘリックス型では全体での接触残基の73%がヘリックス側に偏ったが、β-バレル型では、残基の70%がシート構造に偏っていた。残基の約20%がループ領域に偏り、糖鎖結合複合体では、シート領域やループ領域に比べヘリックス領域に多く分布した。(6)His-Metの隣接残基の並びが高頻度で出現し、リガンド結合部位で好まれることを示唆した。(7)膜貫通領域と水相では、結合部位は共に同程度に分布していた。
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Research Products
(4 results)