2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質中のリガンド結合部位に関するゲノムワイドな解析
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05F05638
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
諏訪 牧子 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主幹研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XAVIER Suresh 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 外工人特別研究員
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Keywords | Membrane proteins / Ligand binding residues / Database analysis / Discrimination / Prediction / Binding site / Naive Bayes classifier / Protein-ligand interaction |
Research Abstract |
1.リガンド結合性膜タンパク質の判別:膜タンパク質中のリガンド結合様式を予測する方法を開発した。これは、既知のタンパク質と目的タンパク質でアミノ酸組成マトリックスを作成し、両者の比較を行う。2連ペプチドやモチーフを使った同様な手法も試みた。パラメータの選び方を変えつつ自己整合性およびクロス検定テストで予測法を評価したところ予測精度は平均81%だった。アミノ酸を1種ずつ変えた場合Serは一番高い精度を示し、リガンド結合を仲介する重要なアミノ酸であることを示唆した。この他、配列モチーフを使った予測も良い精度(83%)であった。 2.リガンド結合選択性の予測:リガンド結合選択性部位の予測・解析は、上記と同様なスキームに従った。結合分子では、脂質が多く見られ(60%)、次に金属イオン(57%)と他の化合物が続いていた。膜タンパク質立体構造から非冗長化した学習セットを作成し、ここでの予測精度を向上させるため、各種の機械学習法を評価したが最終的にNaive Bayes法に基づく方法が最適であった(精度72%、感度61%、選択性で71%)。配列の83%でリガンド結合性の残基は正しく予測できた。結合距離の閾値が6-8Åの場合、予測残基の80%以上はリガンドと接触していた。 3.ゲノムワイドな解析:上記の方法をゲノムに応用したところ、ヒトでは残基の膜貫通タンパク質中残基の17.3%がリガンド結合性である一方で、大腸菌では24.12%、酵母では16.1%であった。異なる生物種でのリガンド結合部位で残基組成が異なり、特にヒトではCysが多く現れるが、酵母ではPheが多かった。 私たちは、リガンド結合性の膜タンパク質の判別とリガンド結合部位を予測する方法の開発およびゲノム配列への応用を目的としたが、上記のようにほぼ達成できた。この方法が機能注釈付けや薬設計支援の現場で効果的に利用できると期待する。
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Research Products
(7 results)