2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05639
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西川 伸一 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, グループディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUISSAC Julien 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | 臓器内胚葉 / ES細胞 / 分化誘導 / 遺伝子形質発現 |
Research Abstract |
臓器内胚葉は原腸胚形成以前に現れ、胚発生において重要な働きをする胚体外の細胞層である。この臓器内胚葉をES細胞から誘導するメカニズムを理解することを目指して、そのために必要な実験テクニックを最初の数ヶ月で習得した。 その上で様々な培地を使い、ES細胞の濃度を変えて、臓器内胚葉の誘導を試みることによって、無血清培地においては、臓器内胚葉の細胞誘導は、ES細胞が高濃度でまかれた場合にのみ可能であり、低密度ES細胞から臓器内胚葉の分化を誘導するためには、臓器内胚葉細胞によって調整された培地が必要であることが解明された。これらのデータから、ES細胞の生存と臓器内胚葉への分化には、何らかの外的シグナルが必要で、臓器内胚葉細胞の放出する分化因子によって誘導されているということを提案することができる。現在は臓器内胚葉分化に関わる新しい因子を同定するため、臓器内胚葉調整培地の組成を解析中である。 またこのような細胞レベルの解析に合わせて、分子レベルの解析も進めている。臓器内胚葉をソーティングしてDNAチップによって遺伝子形質発現を解析した。臓器内胚葉分化においてどの遺伝子がより高い割合かを同定するため、遺伝子形質発現のデータベースを利用して、臓器内胚葉全体のゲノムmRNA形質発現レベルを、未分化なES細胞やその他多種の細胞のものと比較している。 今後この作業によって、分化プロセスに関与している遺伝子の新たな候補を同定することができ、また臓器内胚葉分化のための能力を失ったことを確認するために、これらの新たな候補に対応した突然変異ES細胞株を構築することができるはずである。
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