2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05639
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西川 伸一 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, グループディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUISSAC Julien 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | VE / PrE / GATA6 / 機能解析 / 遺伝子 / 分化 |
Research Abstract |
Visceral Encoderm(VE)はgastrulationの始まる前に胎児外に形成される上皮細胞層であり、胚盤胞期の内部細胞塊(ICM)から最初に発生する原始内胚葉(PrE)が分化した細胞である。PrE、VEの初期発生にかかわる分子についての研究は進んでおり、GATA6はPrE分化のマスター遺伝子であると考えているが、この分子の発現調節についてはわからないことが多い。本研究の主目的は、GATA6の発現を調節し、PrEの発生にかかわる分子を明らかにすることである。これはとりもなおさず、ICMの最初の運命決定機構を調節する分子を明らかにすることに他ならない。 われわれの実験系では、GATA6は分化誘導後2日めに認められる。われわれは、GATA6より早くしかし、一時的に発現してくる遺伝子をリストし、その中からVE分化に比較的特異的に発現している遺伝子を選んだ。次に、ICMに発現が見られてまだよく研究が進んでいない遺伝子から機能解析を進めた。 最初の機能解析として、RNAiによる遺伝子ノックダウンを利用した。この方法で、GATA6,Grb2、Tcf2,HNF4aなど既にPrE分化にかかわる遺伝子の機能を阻害することができることが確認されている。これまで、約20種類の候補分子についてスクリーニングを行った結果、ひとつについてはかなり解析が進んでおり、実際PrE、VE分化を抑制すること、GATA6発現が抑制されること、またEmbryoidBodyの形成も抑制することがわかってきており、GATA6発現の上流にある遺伝子が見つかったのではないかと期待できる。 解析が進んだひとつの遺伝子については、今後Overexpression実験を行うとともに、実際にノックアウトES細胞を作成して、機能についてさらに確認を続ける。これと平行して、既に候補としてリストした遺伝子については、同様の機能解析を進めるとともに、桑実胚から胚盤胞期までの胚における実際の発現パターンを調べる。
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