2006 Fiscal Year Annual Research Report
レース特異的なハクサイ根こぶ病抵抗性遺伝子の単離とその機能解明
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05F05641
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
松元 哲 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜ゲノム研究チーム, 上席研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOMITA Rubens Norio 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜ゲノム研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | アブラナ科 / ハクサイ / 根こぶ病 / 抵抗性遺伝子 / BACライブラリー / 遺伝子単離 |
Research Abstract |
根こぶ病はハクサイ、キャベツなどのアブラナ科植物にとって主要な土壌病害の一つであり、一旦、圃場が汚染すると長期間にわたり休眠胞子が生存するため防除が極めて困難である。近年根こぶ病菌のレース分化により抵抗性品種の罹病化が問題となっている。根こぶ病抵抗性に関する遺伝子座は複数に及ぶことが知られており、高度な抵抗性をもつ品種の育成には複数の遺伝子を導入することが必要である。選抜に使用可能なDNAマーカーを効率よく開発するためには、抵抗性遺伝子を単離し、その構造と機能を解明することにより、同じ配列や発現の遺伝子が得ることが重要である。本研究では抵抗性遺伝子の単離に向け、根こぶ病抵抗性遺伝子座Crr1、Crr2領域の詳細連鎖地図を作成し、当該ゲノム領域の配列を明らかにする。 1.根こぶ病抵抗性系統GOO4よりBACライブラリーを作製し、BSA7(Crr1)、BRMSO96(Crr2)を基点にしたスクリーニング・染色体ウォーキングを行った。BACクローンの末端塩基配列情報から根こぶ病罹病性系統A9709との多型を検索し新たなにマーカーを作出した。 2.Crr1は2つのSSRマーカー(BRMS173とBRMSO88)問に座乗している。アラビドプシスとハクサイのゲノムシンテニー解析を利用して作成されたBSA2,AT27,BSA7およびRAPDをSTS化したBZ2-DraIに加えて、BACクローンの末端配列から新たに208F8をマーカー化した。 3.A9709とG004との交雑F2集団約3700個体の中から、Crr1、Crr2に連鎖するDNAマーカー間で組換えを起こしている個体を選抜し、自殖によりF3世代を得た。根こぶ病菌「Ano-01」菌および「Wakayama-01」菌とF3種子を用いて抵抗性検定を行い、近傍のマーカー遺伝子型と抵抗性程度を比較することにより、Crr1とCrr2の座乗位置を絞り込んだ。さらにCrr1、Crr2の座乗しているBACクローンを明らかにし、塩基配列を決定した。 4.BACクローン208F8のショットガンライブラリーを作成し、全塩基配列を決定した。その結果、部分的にシロイヌナズナの第4染色体の一部に高い相同性が認められた。また抵抗性遺伝子に特徴的な配列を有するORFが3〜4個見出された。
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