2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物及び微生物の代謝産物を利用したアフラトキシン生産阻害法の研究
Project/Area Number |
05F05644
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
矢部 希見子 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAMS GHAHFAROKHI Masoomeh 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 外国人特別研究員
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Keywords | アフラトキシン / アフラトキシン生産阻害菌 / 微生物の同定 / PCR / 生育阻害微生物 |
Research Abstract |
アフラトキシンはカビが生産する自然界で最も発ガン性が高く、更に強力な急性毒性を示す物質である。アフラトキシンによる穀物汚染は世界的に深刻な問題となっているが、現在までのところ実用化可能なアフラトキシン汚染の効果的防御法は得られていない。一方、自然界の微生物の微生物は99%が未知であると言われため、本研究では土壌や植物体など自然界に存在する種々の微生物の中からアフラトキシン生産阻害菌を単離し、それらが作るアフラトキシン阻害物質を発見し、実際に阻害物質を物質を精製する。 17年度は、保存してあるタイ、バンコク周辺の約100個所の土壌から、アフラトキシン生産阻害微生物を単離した。土壌や自然界の植物体を生理食塩水で懸濁し、その上清を固体媒地上アフラトキシン前駆体蓄積カビと近接して接種・培養した。この際、目で阻害活性を検出する方法として既に確立した色素性アフラトキシン前駆体(赤色)蓄積カビを用いて、赤い色の減少を指標にアフラトキシン生産阻害菌を探した。その結果、タイの土壌から約50種の阻害微生物(アフラトキシン生産の特異的阻害微生物及びカビの生育阻害微生物)が単離できた。 次に、得られた微生物についてrRNA遺伝子配列による微生物の同定を行った。具体的には、rRNAに対するユニバーサルプライマーを用いてPCRを行い、PGR産物を精製後、PCR産物の配列をDNAシーケンサーを用いて決定した。得られた配列をホモロジーサーチにより解析した。その結果、30種以上の微生物の同定に成功した。 得られた微生物のうち、アフラトキシン生産阻害微生物については比較的阻害活性が弱かったため、まず、カビの生育阻害微生物に着目し、それらが作る真菌剤の精製を行う事にした。薄層クロマトグラフィーで阻害物質を精製できる事が確認でき、18年度は更に精製を進める予定である。
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