2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ感染COX-2/mPGES-1トランスジェニックマウス胃発癌の解析
Project/Area Number |
05F05651
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
立松 正衞 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO Xueyuan 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Helicobacter pylori感染 / Cyclooxygenase-2 inhibitor / N-methyl-N-nitrosourea / トランスジェニックマウス / 胃発癌 |
Research Abstract |
5週齢のCOX-2/mPGES-1トランスジェニックマウス(K19-C2mEマウス)とWild typeマウスにH.pylori菌(SS1株)0.5×10^8/0.5mlを3回胃内投与し、H.pylori単独感染群を作成した(n=60)。感染後4週に6匹ずつ標本を採取して、H.pylori菌培養と組織検査により、腺胃粘膜のH.pylori感染を確認した。胃粘膜の炎症程度を(1)好中球浸潤、(2)単核球浸潤、(3)過形成の程度で、4段階で半定量的にgastritis scoreを判定した。好中球浸潤スコアは幽門腺(1.8±0.3vs1.3±0.3,P<0.05)、胃底腺(1.7±0.3vs1.4±0.2,P<0.05)ともに、K19-C2mEマウスではWild typeより有意に高値であった。K19-C2mEマウスでは、Wild type感染群に比べて、有意に胃底腺の過形成スコアが高値であった(2.2±0.3vs1.7±0.3,P<0.05)。さらに腺胃小弯部の幽門腺、胃底腺粘膜の高さを計測すると、K19-C2mEマウスではそれぞれ167.9±15.0、601.5±82.0μm、Wild typeマウスではそれぞれ141.4±9.3,337.9±64.1μmで、有意にK19-C2mEマウスが高値であった(P<0.01)。組織学的に、H.pylori感染K19-C2mEマウスはWild typeより強い好中球浸潤および胃底腺の過形成を引き起こしていたと判定された。今後、実験10、15、25、40、50週で経時的に屠殺し、胃粘膜のCOX-2、mPGES-1のmRNA発現レベルを定量的に解析する。あわせて免疫組織学的検討も行う。COX-2/mPGES-1経路がH.pylori感染慢性持続胃炎、胃癌発生過程に如何に影響するかを検討する予定である。
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Research Products
(6 results)