2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国の林産物貿易が中国と主要国の森林経営に与える影響に関する研究
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05F05652
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
立花 敏 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 玉福 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 森林政策 / 森林経営 / 中国:日本:韓国:米国 / 木材産業 / 林産物貿易 |
Research Abstract |
第1に、中国ならびに日本、韓国、米国、マレーシアにおける森林資源、森林経営、木材産業、林産物貿易について、文献や統計データを用いてレビューするとともに現地での聞き取り調査等を行った。第2に、中国の木材産業およびに林産物の需要と供給、林産物貿易に関して分析した。第3に、これまでの調査結果に基づき、ニュージーランド丸太について、ニュージーランドの輸出供給関数と中国の輸入需要関数等を推定し、その推定結果を用いて両国の林産物貿易およびニュージーランドの森林経営への影響に関して分析し、2006年11月の林業経済学会で発表した。現地調査については、韓国で2006年6月に1週間、米国で2007年1月に10日間、マレーシアで2007年3月に10日間、また日本国内では2006年6月に宮崎県、10月に広島県で2日間、2007年2月に富山で2日間の日程で行った。この他に、福島県での日帰り調査や、東京都や神奈川県での関連セミナーに参加し、中国の林産物貿易の動向と、その日本への影響に関する資料収集を行った。特に上述の第2の点においては以下の点が明らかとなった。林産物の生産と消費についてタイムトレンドを用いて推定し、主な林産物に関する趨勢に強弱があること、更に貿易統計を用いて丸太と製材品の輸入、合板輸出、紙・板紙輸入の増加、そして合板輸入の減少が顕著なことを示した。林産物輸入が増加する中で国内での木材製品生産も増加しており、加工貿易の程度が強まっている。林産物輸入元はロシアを含む欧州、アジア、北米を中心に世界に広がり、輸出先は北米、日本を含むアジアが重要である。林産物輸出はWTO加盟を契機に加速し、更に合板や削片板、繊維板等の加工度のより高い木材製品の輸出増には増値税還付率が、また紙・板紙の輸出増加には外資導入が重要な役割を果たした。
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