2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラスおよびナノ結晶シリコン表面の炭化に関する研究
Project/Area Number |
05F05662
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
石川 由加里 (財)ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VASIN Andriy V. (財)ファインセラミックスセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | ポーラスシリコン / 白色発光 / 酸化 / 炭化 / SiC / カーボンクラスタ |
Research Abstract |
(i)3C-SiC成長の為のポーラスSiの炭化 アセチレンの供給レート、炭化温度、気孔率が表面の結合状態、形状安定性、ポーラス層中への炭素の形成に及ぼす影響について調べた。1200℃以上では溶解(もしくは完全な再結晶化)が起きることがわかった。さらに、ポーラスSi炭化のアセチレン供給レートの閾値の存在がわかった。低アセチレン供給レートではポーラスSiは完全に炭化されなかったが、高供給レートにおいてはSiは完全に炭化された。このとき、アモルファス炭素の増加が見られた。高気孔率のポーラス層の方がより効率的にSi-C結合が形成されることを示した。完全なポーラス層の炭化は高温における孔の合体によって妨げられることがわかった。 (ii)炭化ポーラスSiの発光特性 白色発光を呈するSiO2:C層の新たな作製法を開発した。ポーラスSiを出発原料とし、炭化後の本試料をウエットAr雰囲気下で酸化すると強い白色発光が現れることを見出した。出発原料はポーラスSiに特徴的な赤い発光を呈するが、本発光は炭化後に消失した。ウエット酸化後に再び可視白色発光を呈した。この発光強度は酸化温度や時間、炭化処理条件に強く依存した。酸化温度が800℃までは、発光強度は温度とともに著しく増大したが950℃では検出することができなかった。発光は、SiO2中に埋め込まれたカーボンクラスタに起因していると考えられた。900℃における発光の消失はSiO2へ埋め込まれたカーボンクラスタの乖離によると推定される。水蒸気の800℃でのナノ結晶Siに対する反応性の高さと、カーボンに対する不活性がSiO2:C層を作製する上での重要な鍵であることがわかった。 本研究は、発光ナノ構造材料の応用および基礎物理において重要な役割を果たすと考えられる。 対外発表:学会発表 国外2件、国内3件、論文投稿 1報
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