2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05664
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 修三 独立行政法人産業技術総合研究所, 爆発安全研究センター, センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM DONGJOON 独立行政法人産業技術総合研究所, 爆発安全研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / 韓国 / 水素 / 爆発反応制御 / 水素-水クラスレート化合物 / 水添加効果 |
Research Abstract |
H17科学研究費補助金実績報告書 水蒸気や水ミストが存在する場合に、水素-空気の化学量論比混合気の着火、火炎伝搬、圧力波の挙動がどのような影響を受けるかを調べるために、開放空間において混合気の燃焼実験を行った。50cm立方のビニールシートで囲んだ容器に混合気を入れ、水蒸気は温水中で混合気をバブリングすることにより、またミストは容器内に設置したノズルから水を噴霧(水滴の直径は数十μm)する事により供給した。着火時にガスに与えるエネルギーは、線爆発、ニクロム線溶断、ニクロム線加熱の各着火方式の順に小さくなり、火炎や圧力波の伝搬挙動から求めた着火遅れ時間はこの順番に大きくなる。ニクロム線加熱方式で着火した時、乾燥混合気の場合と比較して、高湿度あるいは水ミストが存在する場合には、着火遅れ時間が数倍大きくなること、また着火に必要なニクロム線で発生するジュールエネルギーも、数倍大きくなることが見いだされた。一方、線爆発方式で着火した場合には、乾燥混合気と高湿度の混合気の着火遅れ時間には大きな差はみられなく、水蒸気あるいは水ミストが水素の燃焼に与える効果は、着火時に与えるエネルギーに大きく依存することが示唆された。 水素に水などの分子を共存させる方法として、水素-水クラスレート化合物が本質的に有望と思われ、そのため高圧下での合成を試みた。圧力発生にはダイヤモンドアンビルセル法を用いた。この方法では試料空間の圧縮比を大きくすることは難しいので、圧縮前の水素の密度を高くするため、低温下で液体水素を水(氷)とともに試料空間に封入する方法および装置を開発した。封入後、加圧装置を常温に戻すと、液体の水の中に泡状に気体の水素が存在するのが顕微鏡下で観察でき、これを加圧することにより、常温下でハイドレートが合成されるのが観察できた。
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