2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05666
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
島田 茂 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境化学技術研究部門・精密有機反応制御グループ, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Yonghua 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門・精密有機反応制御グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | 遷移金属 / 錯体 / 触媒 / イリジウム / パラジウム / 配位子 / ケイ素 |
Research Abstract |
最終年度である今年度は期間が六ヶ月であるため、これまで得られた成果の取りまとめを中心に以下の検討を行った。 キレート型ケイ素配位子前駆体であるジシリルベンゼン類とパラジウム錯体との反応に関しては、これまでにユニークな構造を有する5種類のシリルパラジウム錯体の単離・構造決定に成功しているが、そのうち4つのジシリルベンゼン骨格が連なった構造を有する二核パラジウム錯体に関し、さらなる骨格伸長の可能性を検討するためジシリルベンゼンとの反応を行った。NMRによる反応追跡の結果、新たなパラジウム錯体が複数生成し骨格伸長の可能性を示唆したが、各錯体の単離・構造決定には至らなかった。また、昨年度構造決定したジシリルベンゼン/Pd比が2:2である二核錯体とジシリルベンゼンを反応させると新規錯体が生成することをNMRにより確認した。しかし、この錯体に関しても単離・構造決定には至らなかった。 一方、ケイ素部位と2つのリン部位の3つの配位部位を持つ新規配位子を導入したイリジウム錯体に関しても検討を継続した。昨年度合成に成功した[LIr(H)C1](L=新規配位子)から三価ジヒドリド錯体もしくは一価錯体の合成を目的に、種々の条件下ヒドリド還元を検討した。その結果、窒素雰囲気下ボロヒドリド還元剤を用いることにより良好な収率で新規錯体の単離に成功し、多核NMRおよび単結晶X線構造解析により三価ジヒドリド窒素錯体[LIr(H)2(N2)]であることを明らかにした。一方、アルミニウムヒドリド還元剤によりアルゴン下反応を行うことにより、[LIr(H)2]と考えられる錯体が生成することをNMRにより確認した。また、これらの錯体とオレフィン類との反応により、一価オレフィン錯体の合成を検討したが、目的とする錯体の単離には至らなかった。
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Research Products
(1 results)