2005 Fiscal Year Annual Research Report
有害汚染物質の簡素で迅速な高感度検出を目的とする新規機能性ナノ構造シリカの開発
Project/Area Number |
05F05667
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松永 英之 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDEL DAYEM ISMAIL ALI Adel Ali 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | シリカモノリス / 多孔質材料 / 表面化学修飾 / イオン交換 / 簡易分析 / 高感度計測 / 色素 / ゾルゲル法 |
Research Abstract |
本研究では、産業排水や環境水に含まれる微量無機イオン類の簡素で迅速な高感度計測技術の開発を行う。これらの技術の中核となる選択的認識と応答機能を持った新規な分離計測用材料をナノ構造制御シリカを用いて開発する。すなわち、ナノポア単結晶シリカ材料の表面を、有機無機複合構造を創製できるゾル-ゲル法あるいは、シリル化法によりナノサイズで化学修飾することによりシリカ材料中に固定化し、無機有害イオン応答性をもつ新しい材料を創製する。次いで、こうして得られる材料をもとに、目的とする無機有害イオンに対する迅速かつ簡素な計測技術を新規に開発する。具体的には、環境基準レベル(ppm〜ppb)の濃度のクロム、ビスマスなどの有害重金属類、及び、重クロム酸、ヒ酸などの有害無機酸類の濃度を簡易に分離濃縮・計測できる材料及び手法の開発を行う。 今年度は、まず、高結晶性多孔質シリカ材料(多孔質シリカモノリス)をアルキルアンモニウム型シリル化剤などにより化学修飾して陽イオン性材料とし、これに無機イオンと選択的に反応する陰イオン性色素系試薬などの機能性試薬を化学結合させるためのいくつかの反応条件を明らかにした。また、多孔質シリカモノリスの内部表面に陰イオン性官能基を付与するための化学修飾法を開発し、陽イオン性色素による修飾が可能な材料の開発を行った。すなわち、シリカモノリスの表面をまず、メルカプト基を末端にもつシリル化剤で処理し、次いでこれを選択的に酸化することによりスルホ基に変化して陰イオン性を発現させる手法が有効であることを新たに確認した。
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