2006 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気雰囲気中でのレーザーアブレーションによる医療応用ナノ構造薄膜の調製
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05F05669
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越崎 直人 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Baek-Hee 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザーアブレーション / 水蒸気雰囲気 / アパタイト / ナノコンポジット / 同時スパッタ法 / 薄膜 |
Research Abstract |
アパタイトは骨や歯を構成する重要な無機物質であるが、アパタイトだけでは十分な力学的機能を持たせることは困難であり、チタンなどの軽量高強度金属へのアパタイト修飾ことにより生体親和性を持たせようという検討が行われてきている。しかし、アパタイトはナノメータースケールの薄膜を得ることは困難であり、ミクロンスケールの厚膜の生成が必要だった。また、アパタイトのパターンを形成させることも困難であった。 本研究ではレーザーアブレーション法によるアパタイト薄膜合成を目指して、研究代表者のグループが新たに開発した水蒸気雰囲気下でのレーザーアブレーション装置を利用した実験を行った。これまで装置の動作条件の最適化とレーザー光照射位置を実験中に変化させるための改造を進めてきた。得られた前駆体膜は連続ではあるが、後熱処理も連続膜を維持することは困難であった。今後さらに、条件の最適化を検討していきたい。一方この実験過程で、アパタイトのパターン形成が可能な実験条件を見出し、現在細胞付着の実験を検討している段階である。これに関しては特許出願予定である。 これと平行して前年度に引き続き、同時スパッタ法によるアパタイト/酸化チタンナノコンポジット薄膜の調製についても検討を進めた。これはアパタイト単独ではナノメータースケール薄膜の調製が難しいことから、生体親和性をもつ酸化チタンとナノコンポジット化することによりこれを克服しようとするものである。これまでに、蒸着直後の表面は平滑な薄膜が得られているがアパタイト相は観測されないが、熱処理により結晶相が形成し骨芽細胞の付着性があることを実験的に検証した。これに関しては予定を含めて4件の学会発表を行い、現在論文投稿準備中である。
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