2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体と超臨界二酸化炭素・共溶媒によるナノ多孔体創製
Project/Area Number |
05F05671
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 英明 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Rui 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ブロックコポリマー / 超臨界二酸化炭素 / 多孔体 / テンプレート |
Research Abstract |
超臨界の二酸化炭素とブロック共重合体のテンプレートによる制御を加えたナノ多孔体の創生を目的とした研究を行った。これまでの受入研究者らによる研究により、従来の限界よりも小さな多孔体を超臨界の二酸化炭素とブロック共重合体を用いて形成できることが明らかになっている。そのためには、二酸化炭素親和性の高いブロックと親和性の低いブロックからなるブロックコポリマーが必要であった。二酸化炭素に対して親和性のあるポリマーはフッ素を含むポリマーなど限られており、汎用のポリマーに同様の技術を適用することはできなかった。そこで本研究では、二酸化炭素に共溶媒を加えることにより二酸化炭素の溶媒能を制御し、フッ素系以外のポリマーにおいても多孔体構造を得ることを目的とした研究を行った。多くの系では十分な親和性の差が出せず、目的は達成されなかったが、最終的に、フッ素を含まないPoly(styrene-b-2-vinylpyridine)(PS-PVP)、二酸化炭素・メタノールの系でナノ多孔体を形成することに成功した。この多孔化は非常に非平衡なプロセスであり、二酸化炭素・メタノール混合溶媒に接触させる時間に依存した構造変化が見られた。メタノールがPVPドメインを膨潤し、二酸化炭素がPSを膨潤することによってその相対的な体積比が変わり、構造変化が誘起されることがわかった。初期のPVP分率は30%程度であるが、メタノールとPVPの親和性が高いために、メタノールでのPVPドメインの膨潤率がPSの二酸化炭素による膨潤率よりも高く、時間とともに膨潤したPVPドメインの結合が見られた。結果として二酸化炭素・メタノールの除去後に連続孔の薄膜が得られることがわかった。
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Research Products
(2 results)