2006 Fiscal Year Annual Research Report
馬鈴薯澱粉と小麦粉との混合粉におけるレオロジー・テクスチャー特性
Project/Area Number |
05F05674
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
野田 高弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター機能性利用研究北海道サブチーム, サブチーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARKER Md.Zaidui Islam 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター機能性利用研究北海道サブチーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 馬鈴薯澱粉 / 小麦粉 / ラピッドビスコアナライザー / 示差走査熱量計 / 糊化温度 / 粘度 / リン含量 / 糊化エンタルピー |
Research Abstract |
北海道の代表的な小麦新品種である「キタノカオリ」から得られた小麦粉にリン含量の異なる3種の馬鈴薯品種[「農林1号」、「紅丸」、「エニワ」]から得られた澱粉をそれぞれ混合し、これらの混合粉の粘度・熱糊化特性について、ラピッドビスコアナライザー(RVA)及び示差走査熱量計(DSC)を用いて解析した。 馬鈴薯澱粉のリン含量は、「エニワ」が878ppmと「農林1号」(541ppm)や「紅丸」(599ppm)と比べて明らかに高かった。RVA特性、DSC特性の結果をみると、RVA最高粘度、RVAブレークダウン、DSC糊化ピーク温度の値は、他の2品種より明らかに高かったが、DSC糊化エンタルビーは、3品種の間で明確な差異が認められなかった。馬鈴薯-小麦粉混合粉の最高粘度、ブレークダウンは、馬鈴薯澱粉添加量を増加させるにつれて高くなり、特に高リン型の「エニワ」澱粉を添加したときは、他の低リン型を添加したときに比べて上昇度が高かった。DSCによる熱糊化特性の結果をみると、いずれの混合粉も大体において単一の糊化ピークがみられたが、「エニワ」混合粉では「エニワ」澱粉の添加量が少ないときのみ、澱粉糊化ピークが2つみられ、低い方の小ピークは小麦粉中の澱粉に由来するものと考えられた。「エニワ」混合粉の糊化ピーク温度は、「農林1号」混合粉及び「紅丸」混合粉に比べ、いずれの添加量においても高い値を示した。糊化エンタルピーは、馬鈴薯澱粉添加量を増加させるにつれて上昇したが、添加する馬鈴薯澱粉の違いによっては大きく影響されなかった。小麦澱粉のアミロース脂質複合体に起因すると考えられる100℃付近のピークは、馬鈴薯澱粉添加量を増加させるにつれて明らかに小さくなり、これも添加する馬鈴薯澱粉の違いによっては大きく影響されなかった。
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Research Products
(2 results)