2005 Fiscal Year Annual Research Report
馬鈴薯澱粉と小麦粉との混合粉におけるレオロジー・テクスチャー特性
Project/Area Number |
05F05674
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
野田 高弘 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター・畑作研究部, 主任研究官
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARKER Md.Zaidul Islam 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター・畑作研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 小麦粉 / 馬鈴薯澱粉 / ラピッドビスコアナライザー / 粘度特性 / ファリノグラフ / 生地物性 / アミロース含量 / リン含量 |
Research Abstract |
北海道の代表的な小麦品種である「キタノカオリ」から得られた小麦粉と代表的な馬鈴薯品種である「紅丸」から得られた澱粉を用い、これらの混合粉のレオロジー・テクスチャー特性について検討した。まず、供試した小麦粉及び馬鈴薯澱粉の基本的特性について評価した。アミロース含量、リン含量、メジアン粒径の結果をみると、小麦粉では、27.2%、1138ppm、59.5μmであり、馬鈴薯澱粉では、23.6%、599ppm、44.4μmであった。8%小麦粉懸濁液のラピッドビスコアナライザーによる最高粘度は、89RVUであり、加熱過程中の粘度低下を示すブレークダウンは、36RVUであった。ファリノグラフによる小麦粉の生地物性を検討したところ、生地の形成速度を示すピーク時間は、21.8分であった。次いで、小麦粉に馬鈴薯澱粉を10-50%の割合で配合し、得られた混合粉のレオロジー・テクスチャー特性についてラピッドビスコアナライザーを用いて調べた。その結果、馬鈴薯澱粉を10%混合したときは、最高粘度が110RVU、ブレークダウンが38RVUであったのに対し、50%混合したときは、最高粘度が240RVU、ブレークダウンが80RVUとなり、両指標値とも馬鈴薯澱粉の添加により明らかに上昇した。したがって、小麦粉に馬鈴薯澱粉を混合することで、効率的に粘度を上昇させることが可能であった。ファリノグラフによるピーク時間は、馬鈴薯澱粉を10-30%加えた場合でも加えない場合とほぼ同様の値となり、馬鈴薯澱粉を小麦粉に30%まで混合しても生地の形成には大きな影響がないことが示唆された。なお、馬鈴薯澱粉を40%以上混合した場合では、生地形成がほぼ不可能となった。
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