2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アフリカ産樹木抽出成分の化学特性及び有用生理機能の解明
Project/Area Number |
05F05676
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大原 誠資 独立行政法人森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, 領域長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 澤恩 独立行政法人森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | ガーナ産樹木心材 / タンザニア酸樹木心材 / チロシナーゼ阻害活性 / 抗酸化性 / 抗菌性 / メラニン色素生成促進活性 / フラボノイド / ガリック酸三量体 |
Research Abstract |
これまでに調製した22種のアフリカ産樹木(ガーナ産16種、タンザニア産6種)の心材メタノール抽出物の生理機能性(抗菌性、抗酸化性、チロシナーゼ阻害活性、メラニン色素生成制御活性)の検定を行った。抗菌性は、白色腐朽菌(カワラタケ)に対する生育阻害を測定して検定した。抗酸化性は、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)のラジカル消失率を測定することによって検定した。チロシナーゼ阻害活性は、抽出物存在下でジヒドロキシフェニルアラニンから着色物質が生成する速度を測定することによって検定した。メラニン色素生成制御活性は、抽出物を添加してB16メラノーマ細胞を培養した時のメラニン色素生成量を測定することによって検定した。以上の検定により、チロシナーゼ阻害活性を示す樹種1種(Odum)、抗酸化能を示す樹種2種(Denya、Emire)、抗菌性を示す樹種2種(Commiphola mollis、Mailkara discolor)、メラニン色素生育促進活性を示す樹種1種(Nesogordona parviflora)を選別した。 Odum心材メタノール抽出物のチロシナーゼ阻害活性は非常に高く(阻害率96.0%)、市販のチロシナーゼ阻害剤であるコージ酸(93.7%)を上回った。抽出物中の主成分であるChlorophorinがチロシナーゼ阻害活性有効成分であった。Denya及びEmire心材メタノール抽出物は粗抽出物であるにもかかわらず、茶葉の抗酸化成分であるカテキンと同等あるいはそれ以上の高い抗酸化活性を示した。抗酸化活性成分として、2種のフラボノイド化合物、1種のカルコン化合物及びガリック酸三量体を単離同定した。C.mollis心材抽出物からは、抗菌性成分として3種のフラバノン化合物を単離同定した。N.parviflora心材抽出物はメラニン色素の生成を促進するだけでなく、細胞毒性を全く示さなかった。
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Research Products
(1 results)