2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネの低温ストレス応答におけるトレハロース生合成遺伝子の分子機能解析
Project/Area Number |
05F05685
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM M.O 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / トレハロース / 低温ストレス / トレハラーゼ |
Research Abstract |
イネにおけるトレハロース代謝の調節機構を解析するため,イネゲノム情報を利用し,トレハラーゼ遺伝子(OsTHL)を単離した。OsTHLはイネのゲノムにコードされる唯一のトレハラーゼ遺伝子であった。次にトレハラーゼ遺伝子の発現様式をノーザン法により解析した。幼苗におけるOsTHLの発現は極めて低いレベルであったが,低温ストレスを受けると速やかに誘導された。また,低温ストレス以外では,乾燥,塩ストレスによっても発現が誘導された。ABA処理によっても発現が誘導されたが,その応答は比較的ゆっくりであり,各ストレスに対する応答においてABAが直接関与しないと考えられた。OsTHLの機能解析のため,組換えタンパク質を大腸菌において発現させた。GST融合タンパク質として産生させた組み換えタンパク質は種々の誘導条件を試行したものの,全て不溶性画分に分画され,その酵素活性について解析することは困難であった。出芽酵母のトレハラーゼ変異体を用いてOsTHLの機能解析を試みた。酵母のAth1欠損株はトレハロースを唯一の炭素源として生育できないので,OsTHLによりその形質が相補されるかどうかを検討した。OsTHLの発現により生育性は回復されなかつたが,その原因に関しては今後の検討課題である。OsTHLをユビキチンプロモーター下で高発現するコンストラクトを作製し,イネの形質転換を行った。細分化個体を得て,現在複数のTO植物体を育成している。
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