2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネ葯発生時の冷温ストレスシグナル伝達に関与するMAPK経路の分子解析
Project/Area Number |
05F05689
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 主任研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE G.-S 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 外国人特別研究員
|
Keywords | 低温 / イネ / シグナル伝達 / MAPK |
Research Abstract |
イネの冷温シグナル伝達に関わるMAPK経路構成するOsMAP1(MAPK)とOsMEK1(MAPKK)の相互作用を中心に本経路の分子解析を行った。まず,OsMEK1に対してアミノ酸置換を導入し,構成的活性型(OsMEK1DD)を作製した。組み換えタンパク質を精製し,in vitroでの活性調べたところ,OsMEK1はOsMAP1を基質としてリン酸化すること,その活性はOsMEK1DDにより数十倍以上高まることが明らかとなった。OsMEK1DDの存在下ではOsMAP1のMBP(ミエリン塩基性タンパク質)キナーゼ強力に活性化されることも明らかとなつた。OsMEK1DDにより本低温シグナルの活性化が期待されたので,OsMEK1DDを過剰発現する形質転換イネの作出を行った。現在TO植物を育成中である。OsMAP1のターゲットタンパク質を解析するため,シロイヌナズナでMAPK経路によりリン酸化されることが分かっているthioredoxinHに注目してOsMAP1との相互作用を解析した。酵母ツーハイブリッド法によりOsMAP1とthioredoxinHの相互作用が確認された.現在リン酸化の基質になりうるかどうかについて検討を行っている。更に,ThioredoxinHの冷温応答性を調べたところ,冷温によりmRNAの蓄積が認められたため,OsMAP1のターゲットとしての可能性が高いことが示唆された。
|