2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ葯発生時の冷温ストレスシグナル伝達に関与するMAPK経路の分子解析
Project/Area Number |
05F05689
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 National Agricultural Research Organization, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE G.-S. 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・低温耐性研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 低温ストレス / イネ / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / チオレドキシン |
Research Abstract |
1.OsMEK1と相互作用するMPKの同定 本研究では先ず、OsMEK1と相互作用するMAPKを探索した。イネのMAPKの4つのサブグループに属する代表的なMAPKとOsMEK1の相互作用を酵母ツーハイブリッド法により検出したところ、Aサブグループに属するOsMPK3、OsMPK6とのみ相互作用が示された。 2.OsMEK1はOsMPK3、OsMPK6をリン酸化する 次に実際OxMEK1がOsMPK3およびOsMPK6をリン酸化するか否かについて検討した。自己リン酸化能を欠損体を構築したOsMPK3およびOsMPK6を調整し、OsMEK1によるリン酸化を試験管内で行ったところ、両OsMPKがリン酸化されOsMEK1の基質となっていることが判明した。更に、OsMEK1の構成的活性化変異体(OsMEK1DD)を作出したところ、OsMEK1DDはOsMPK3、OsMPK6のリン酸化能が著しく高まっていることが明らかとなったが両MAPKを活性化することも明らかにした。 3.OsMEK1はOsMPK3、OsMPK6を活性化する OsMEK1によるOsMPK3、OsMPK6のリン酸化が両タンパク質のMBPリン酸化活性を上昇させるか否かについて調べた。OsMEK1の共存によりOsMPK3、OsMPK6のMBPリン酸化活性が上昇し、それはOsMEK1DDを用いることで著しく高まることが示された。 4.イネのチオレドキシンhはOsMPK3、OsMPK6の活性を負に調節する OsMPK3との相互作用を指標に酵母ツーハイブリッド法により単離されたチオレドキシンhを単離した。チオレドキシンhは、OsMPK3の基質とはならなかった。一方、チオレドキシンhはOsMPK3、OsMPK6の活性を著しく抑えることが示された。 5.成果のまとめ イネの低温ストレスシグナル伝達において機能するMAPK経路構成因子を明らかにし、チオレドキシンによる負の制御機構が判明した。イネの低温ストレス耐性のメカニズム解明に大きく貢献した。
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Research Products
(3 results)