2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05690
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
岡部 郁子 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物環境安全部, 主任研究官
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ADANDONON Appolinaire 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物環境安全部, 外国人特別研究員
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Keywords | 白絹病菌 / Sclerotium rolfsii / Pantoea属 / オリゴヌクレオチドプローブ / 蛍光in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
微生物間相互作用の一つである静菌作用は、土壌伝染性植物病原菌の活動を抑制するなど、土壌微生物生態系の均衡を保つ機能を持つと考えられている。マメ科をはじめ多くの植物の白絹病を引き起こす白絹病菌(Sclerotium rolfsii)は、土壌伝染性植物病原菌の一種であり菌核を形成して土壌中で耐久生存する。この病原菌に汚染された圃場を湛水処理すると、白絹病の再発を防止できることが知られているが、これは湛水によって静菌作用が活発化し、白絹病菌菌核が発芽不能になるものと推測されている。この静菌作用に関与する土壌微生物が何であるかを解明することが本研究の目的である。 白絹病菌菌核を土壌懸濁液に入れて培養した後、菌核を走査型電子顕微鏡で観察したところ、菌核の表面に多数の細菌と思われるものが付着していた。希釈平板法によって菌核から細菌を分離し、分離した菌株の16SリボソームRNA遺伝子の塩基配列を調べて同定したところ、これらの菌株の約90%がPantoea属であることがわかった。そこで、Pantoea属細菌に特異的な塩基配列部分を選び出し、その配列をもとに、Pantoea属細菌と特異的に反応するオリゴヌクレオチドプローブを設計した。このプローブを用いた蛍光in situハイブリダイゼーション法によって、Pantoea属細菌を特異的に蛍光染色し、顕微鏡下で識別することが可能になった。この手法を用いることで、白絹病菌菌核の表面に存在する細菌群集を調べることが可能になった。
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