2005 Fiscal Year Annual Research Report
「FePt,FePd規則合金多重双晶ナノ粒子の創製、および構造、磁気的性質に関する研究」
Project/Area Number |
05F05701
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDRAS Kovacs 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 多重双晶粒子 / L1_0型規則構造 / FePt / FePd / 逆位相境界 / ミスフィット転位 / 高分解能電子顕微鏡 / PdO |
Research Abstract |
まず、NaCl単結晶上に形成したAlO、C薄膜上へのPd、Feの逐次蒸着によりFePdナノ粒子を作製し、ナノ粒子における多重双晶構造の生成について調べた。電子顕微鏡(TEM)観察の結果、AlO基板よりもC基板の方が双晶が形成され易いことが判明した。磁化測定の結果、C基板及びAlO基板上に形成した試料においてそれぞれ室温で0.7kOe、0.5kOeの保磁力が得られ、C基板上に形成したFePdナノ粒子の方がAlO基板上のナノ粒子と比較して、やや保磁力がが大きいことが判明した。 続いて、FePd合金のL1_0型規則相中における逆位相境界(APB)形成について、MgO(100)基板上に作製したFe/Pd2層膜及び多層膜中を用いて調べた。高分解能電子顕微鏡(HREM)観察の結果、格子のミスマッチによる歪が周期的なミスフィット転位形成により緩和されていることが明らかとなった。これらの転位は熱処理を経てもL1_0型規則相中に残留し、また、転位周辺領域において不規則化は生じていなかった。TEM内加熱その場観察の結果、規則化は薄膜全面にて開始していたが、これがAPB形成に寄与していると考えられる。APBを含む領域のHREM像シミュレーションをコンピュータプログラムTEMSIMを用いて行った。 さらに、Fe-Pdナノ粒子に対するNa^+やK^+などアルカリ金属イオンの影響についても調べた。Pd、Feの逐次蒸着の過程でPdナノ粒子にNaを添加すると、300℃以下の低温でFe-Pd不規則相が形成されることが判明した。一方、Pdナノ粒子へのアルカリ金属イオン添加により、触媒活性物質である正方晶PdO(P4_2/mmc,a=3.03Å,c=5.33Å)が形成されることが判明した。
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