2005 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌を中心とした細菌ゲノムにおける転写制御領域とネットワークの情報学的解明
Project/Area Number |
05F05705
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIERRO Nicolas Joseph Marie 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 配列解析 / プロモーター / 比較ゲノム解析 / 枯草菌 / データベース / 低G+C含量グラム陽性菌 / ホヤ |
Research Abstract |
枯草菌をはじめとする低G+C含量グラム陽性菌のプロモーター領域を組織的な比較ゲノム解析によって研究している。まず、NCBIから66種類の低G+C含量グラム陽性菌門(phylum)の全ゲノム配列をダウンロードし、それらに含まれるアミノ酸配列の類似性を調べて、ホモログクラスター(オーソログ、パラログを含む)を作成した。次に我々のグループで構築・管理している枯草菌転写データベースDBTBSから、既知の転写因子の認識配列を表す31個の重み行列をそれらのホモログクラスター上流に適用して、共通の綱(class)やsubclassに共通して出現するかどうかを検討した。その結果、たとえばストレス応答遺伝子HrcA遺伝子は一般に自分自身によって制御されているが、スタフィロコッカスの仲間ではこれに加えて別のストレス応答因子CtsRによっても成業されていることがわかった。その生物学的意味は今のところ不明であるが、より詳細に(あるいはより自動化して)結果を検討することにより、生物学的に興味深い発見をできるのではないかと期待している。また、ホモログクラスターの遺伝子上流配列を、そのclass毎に保存度の位置依存性を描画して、制御上重要な部位がどのように進化的に保存されているか(あるいは保存されていないか)を網羅的に調べている。こちらもデータベースとしての公開とこの結果を用いたより詳細な解析を予定している。 また、カタユウレイボヤゲノムにおける転写制御配列の解析にも取り組んでおり、その第一段階として、既知のシスエレメントや遺伝子の組織特異的発現情報、近縁種間のプロモーター配列比較などの情報を文献から渉猟して構築したデータベースDBTGRを構築し、一般公開している。
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Research Products
(1 results)