2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05708
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國友 浩 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALBERTSSON Cecilia 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | T-双対性 / ポアッソン・リー双対性 / ドリンフェルト・ダブル / D-ブレイン |
Research Abstract |
通常のT-双対性の一般化であるポアッソン・リーT(PLT)-双対性の下で、開弦の世界面上における境界条件がどのように変換するかを解析した。最初にT-双対性の一般化として提案された非可換T-双対性は、二度繰り返しても元の共形場理論に戻らず、双対性変換として解釈するのは困難であった。この点を改善する変換として導入されたのがPLT-双対性で、以下に述べるような性質を持っている。通常のT-双対性は、二次元非線形シグマ模型が有する対称性、即ち時空に対する等長対称性をゲージ化することにより得ることができる。これに対して一般化であるPLT-双対性では、これが二つの時空がドリンフェルト・ダブルと呼ばれるペアを構成するための条件に緩められる。このとき二つの時空は完全に同じ条件を満たし、双対変換は完全に対称的となっており、通常のT-双対性を特殊な場合として含んでいる。研究分担者は、以前N=1超対称非線形シグマ模型が記述する開弦の理論において最も一般的な境界条件を分類し、これがD-ブレインを特徴づける糊付け行列と呼ばれる行列を用いて定式化できることを示した。本研究ではこの結果を用い、境界条件の適当な部分集合に対して正準変換としてのPLT双対性を行った際に、対応する糊付け行列の変換性を具体的に求めた上で、共形不変性が自動的に保たれることを示した。このことは共形対称なD-ブレインは、PLT双対性の下でやはり共形対称なD-ブレインと対応づけられることを意味している。これらの結果は2005年3月に行われたニセコ冬の学校や、東京大学理学部で行ったセミナーで発表され、近日中に論文として投稿される予定である。
|