2006 Fiscal Year Annual Research Report
通信波長帯において多光子エンタングルド状態を生成し,量子情報通信への応用実験を行う
Project/Area Number |
05F05713
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
井上 修一郎 日本大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HEYDARI Hoshang 日本大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | スクィーズド光 / エンタングルメント / 量子情報通信 / フォトニッククリスタル / カー効果 / サニャック干渉計 |
Research Abstract |
光ファイバー中で誘起される3次非線形光学応答(カー効果)を利用したスクイーズド状態の生成を行っている.光ファイバ中を低次ソリトン伝播させた光パルスと弱コヒーレントパルス光を干渉させることで振幅スクイーズド状態を発生させる.干渉計には,非常に高い安定度が要求されることから,サニャック干渉計を採用した.サニャック干渉計は分岐率が90/10となるビームスプリッターと光ファイバで構成される.先ず,光パルス(波長1550nm,パルス幅120fs,繰り返し80MHz)をビームスプリッターへ入射する.この時,光パルスエネルギーの90%はそれを透過し,サニャックループである光ファイバ中を(反時計回りに)低次ソリトン伝播する.一方,ビームスプリツターで反射された10%の光パルスは同光ファイバを(時計回りに)伝播する.この光パルスは強度が弱いため,顕著な3次非線形(カー)効果は現れない.以上の2つの光パルスはビームスプリッターで再結合される.この結果,サニャック干渉計のダークポートからソリトン伝播パルスと弱コヒーレントパルスの干渉光が出力される.サニャックループを長さ5mの単一モード光ファイバで構成した時,上記干渉光は1.5dB振幅スクイージングされていた.上記実験において,スクイージングレベルは光パルスの強度,ファイバの持つ分散値,3次非線形係数,そして長さに大きく影響される.現在,分散値,非線形係数が比較的大きな自由度で決定できるフォトニック結晶ファイバを利用したサニャック干渉計を構築し,これを用いた振幅スクイーズド状態の生成を試みている.また,上記のような振幅スクイーズド状態を2モード用いたエンタングルド状態の生成を計画している.
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Research Products
(6 results)